2010 Fiscal Year Annual Research Report
定量的研究機関評価・研究評価のための「アウトリーチ指数」開発可能性の研究
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19601006
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 俊哉 富山大学, 地域連携推進機構, 特命教授 (90345140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 三郎 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特任准教授 (60401949)
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Keywords | アウトリーチ指数 / 研究機関評価 / 研究評価 / 定量的評価指標 / テクノロジーブランディング / マスメディア・モニタリング |
Research Abstract |
平成21年度までに本研究において実施した、大学等国内研究機関へのアンケート調査結果から平成20年度科研費配分額上位100件並びに中位100件の研究機関のマスメディアに報道される記事等のモニタリングを行っている比率が上位機関と中位機関の平均で59.1%であり、過半の研究機関でマスメディアのモニタリングを行っていることが判明した。このことからアウトリーチの度合を定量的に測定する準備、能力は各研究機関において整備されており、実行可能性が高いという知見が得られた。そこで平成22年度は、実際にアウトリーチの度合を指数化し、研究機関評価に用いるトライアルを実行した。トライアルは国内大学を対象に対マスメディア情報発信件数を、期間を定め定量的に測定し、それを指数化して評価を行なうこととした。測定は大型商業データベース検索によって実施した。大学は北陸先端科学技術大学院大学と奈良先端科学技術大学院大学の2つの国立大学法人を選択した。この2大学を選択した理由は、ほぼ同時に設置され、組織規模も類似しているためである。調査期間は1999年度から2009年度までの11年間とし、朝日、読売、毎日、日本経済新聞の4全国紙で2大学名をキーワードに検索を行なった。国立大学法人化が実施された2004年を基準年として、記事件数と記事文字数の年次推移を観察した。2004年の記事件数、文字数それぞれを1として、他年度との比較を行えるように指数化し、11年間の推移を観察した。その結果、北陸先端大は基準年の04年度以降、05年度を除いて09年度まで1以上をキープした。奈良先端大は05年度以降1を下回って推移した(平均0.56)。一方、文字数では05年度以降両大学とも09年度まで1を下回った。このようにアウトリーチの度合を指数化することにより、研究機関のアウトリーチ・アクティビティの一部を可視化する端緒を拓くことができた。
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