2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性筋肉痛を伝える侵害受容性感覚神経の電気生理学的解析
Project/Area Number |
19603014
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
八木 淳一 Kyorin University, 医学部, 講師 (90265760)
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Keywords | 神経科学 / 疼痛 / 後根神経節 / パッチクランプ法 / 酸感受性 |
Research Abstract |
閉塞性動脈硬化症により骨格筋が虚血に陥ると、骨格筋収縮時に間歇的な激しい筋肉痛が生じる。この虚血性収縮時の痛みの発現機序について、本申請者は、「脊髄後根神経節(DRG)ニューロンに発現する酸感受性イオンチャネル3(ASIC3)が、虚血による骨格筋組織の酸性化を感知して筋肉痛を起こす」との仮説を立てた。本研究では、独自に開発した「ラットのIn vivo標本によるDRGニューロンホールセルパッチクランプ法」を用いて、骨格筋を支配するDRGニューロン(骨格筋:DRGニューロン)を電気生理学的に解析し、上記の仮説を検証する。骨格筋DRGニューロンは、多様な性質を持つ複数のサブタイプに分類される。そこで初年度は、電気生理学的性質(軸索の伝道速度、細胞膜の興奮性、イオンチャネルの発現パターン)と受容野応答特性(筋の受容野への機械刺激に対する応答特性)を解析して、骨格筋DRGニューロンの分類を進めた。また、膝関節部を糸で結紮することで前脛骨筋を虚血状態とし、さらに坐骨神経刺激により筋収縮(実験的虚血性収縮)を起こしたときの骨格筋DRGニューロンの応答を調べた。これまでのところ、小型の細胞体とC線維(伝道速度<1m/s)を有し、受容野の機械的侵害刺激に応答するニューロンの多くが、実験的虚血性収縮時に放電することを確認した。2年度も同様の手法を用い、虚血性収縮に応答するニューロンについて、酸に対する感受性(ASIC3の発現量の推定)、放電と筋肉組織内pHとの相関を解析し、虚血性収縮時の興奮がASIC3の活性化によるものかどうかを調べ、虚血性筋肉痛の発現機序の解明を目指す。
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Research Products
(1 results)