2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19610009
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
毛利 勝彦 International Christian University, 教養学部, 教授 (00247420)
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Keywords | 社会秩序学 / グローバル・ガバナンス / 国際政治経済 |
Research Abstract |
最終年度となる2009年度は、イタリア国内で開催地を変更して開催されたラクイラ・サミットに着目してグローバル社会秩序形成への影響を考察したが、新興国の台頭によって実質的にG8からG20体制へと移行した重要な年であった。 グローバル秩序の政策分野としては、2007年ハイリゲンダム・サミット(ドイツ)および2008年北海道洞爺湖サミット(日本)で最重要課題となった気候変動交渉に焦点を当てた。2009年12月にコペンハーゲンで実施された第15回気候変動枠組み条約締約国会議に向けて、気候変動問題は世界金融危機とともにラクイラ・サミットや2009年9月のニューヨークでの国連総会やピッツバーグでのG20サミットにおいて優先的なアジェンダとして議論された。ラクイラからコペンハーゲン会議にいたるまで中国、ブラジル、インドなど新興諸国が秩序再編過程に大きく関与したことが注目されたが、G20体制がグローバルな秩序再編に十分な機能を果たしているとは言えない。ラクイラ・サミットでのオバマ米大統領の初参加、ピッツバーグ・サミットでの鳩山首相の初参加など主要国の政権交代の影響も見られたが、新興国の台頭による構造の影響がより大きかった。 また、G20の主要国の一つであるブラジルで開催された国際関係学会(ISA)とブラジル国際関係学会(ABRI)の合同国際会議において、G8/G20サミットや国連交渉で議論された気候変動対策のための革新的資金メカニズムの秩序形成に関する論文を報告した。
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