2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 昌宏 The University of Tokyo, 大規模集積システム設計教育研究センター, 教授 (70323524)
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Keywords | システムバイオロジー / 設計支援 / 形式的手法 |
Research Abstract |
本研究では、従来からハードウェアの設計支援や設計検証に用いられてきた手法によって、近年注目を集めているシステムバイオロジーにおけるシミュレーションや解析を効率的に行い、実験室で行う実験では観測が困難な現象の観測や生化学反応における内部状態の推定を実現することを目的としている。今年度は、特に、従来のシステムバイオロジー分野におけるハードウェア設計支援技術の応用に関する調査と、システムバイオロジーの高速なシミュレーション実現を目的として研究を行った。調査においては、ハードウェア検証に広く用いられているモデル検査などの形式的手法は、システムバイオロジー分野での応用が研究されているものの、現状では扱えるシステムの複雑さや規模に大きな制約があることが分かった。また、実際の生化学的なシステムを常微分方程式でモデリングすることが多く、それらはソフトウェアとしてシミュレーション可能であることが分かった。しかし、複雑な生化学システムの常微分方程式モデルでは、ソフトウェアとしてシミュレーションする場合、その速度が十分でなく、シミュレーション可能なサイクル数が限られてしまう。そこで、本研究では、FPGAなどのプログラム可能なハードウェアを用いたシミュレーションを高速化を進めている。今年度は、対象とする生化学システムとハードウェア・ソフトウェア最適分割のための性能見積もり手法の研究を行った。提案した見積もり手法では、フォールスパスを考慮した静的な解析により、設計対象全体の実行時間の見積もりが可能である。この手法を用いることにより、上位設計において正確な見積もりができるため、ハードウェア化する部分の特定を行うことができる。今後は、実際に解析する生化学システムを表す常微分方程式をC言語ベースのハードウェア設計記述言語で記述し、ハードウェア・ソフトウェア分割を行っていく予定である。
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