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2009 Fiscal Year Annual Research Report

脳室上衣細胞による脳脊髄液流の制御

Research Project

Project/Area Number 19650094
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

澤本 和延  Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90282350)

Keywords脳脊髄流 / 上衣細胞 / 脳・神経 / 脳室下帯 / 発生・分化
Research Abstract

1.培養上衣細胞を用いた解析:前年度に確立した上衣細胞培養を用いて、細胞内に極性が形成されるかを調べた。蛍光ビーズを繊毛に付着させ、ライブイメージングによって観察したところ、約半数の細胞において繊毛が細胞内で同方向に運動していることが明らかになった。さらに、極性形成との関与が示唆されるPCP遺伝子群について過剰発現・ドミナントネガティブ型を導入し、効果を解析した。その結果、Dvl2のドミナントネガティブ型の導入により、繊毛運動方向が乱れることを見いだした。このことは、PCPシグナルが繊毛の運動方向の決定に関与することを示唆している。
2.上衣細胞分化過程の解析:前年度、上衣細胞の分化過程において繊毛の形態と運動機能が生後1週間で成熟することが繊毛の基部の局在が細胞内で変化することを見いだした。本年度は、繊毛の形成に先立って細胞膜に出現する繊毛基部に着目したところ、分化過程初期では細胞のアピカル面に広がって存在し、より遅い時期では細胞の前部に局在することを見いだした。細胞内で繊毛基部が移動するかを明らかにするために、繊毛基部がGFPによってラベルされたトランスジェニックマウス(Centrin2:GFPマウス)の脳室を用いてライブイメージングを行った。その結果、繊毛基部が細胞内を前部へ向かって移動することを見いだした。さらに、この過程に伴って繊毛の運動パターンが変化するかを調べるために、同トランスジェニックマウスを用いて繊毛を蛍光標識し、高速イメージングにより繊毛運動を観察した。その結果、繊毛基部が細胞全体に存在するときは繊毛がいろいろな方向に運動しているのが観察されたのに対し、繊毛基部が細胞前部に局在しているとき繊毛は一方向に協調的運動をしていることが明らかになった。この結果は、繊毛基部の細胞前部への移動が、上衣細胞の極性決定における重要なステップであることを示唆している。

  • Research Products

    (7 results)

All 2009 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Various facets of vertebrate cilia : motility, signaling, and role in adult neurogenesis2009

    • Author(s)
      黄詩惠, et al
    • Journal Title

      Proceedings of the Japan Academy (印刷中)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 神経組織における繊毛の役割2009

    • Author(s)
      黄詩惠, 他
    • Journal Title

      細胞工学 (印刷中)

  • [Journal Article]2009

    • Author(s)
      澤本和延
    • Journal Title

      遺伝子医学MOOK別冊ますます重要になる細胞周辺環境の科学技術-細胞の生存、増殖、機能のコントロールから再生医療まで-(分担執筆)(メディカルドゥ)

      Pages: 263-267

  • [Presentation] 脳室上衣繊毛の発生と機能2009

    • Author(s)
      澤本和延
    • Organizer
      第61回日本細胞生物学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2009-06-04
  • [Presentation] 脳に内在する神経再生機構2009

    • Author(s)
      澤本和延
    • Organizer
      第50回日本神経学会総会
    • Place of Presentation
      仙台国際センター
    • Year and Date
      2009-05-21
  • [Presentation] マウス側脳室繊毛のナノメートル運動解析2009

    • Author(s)
      下澤東吾, 他
    • Organizer
      ナノ学会第7回大会
    • Place of Presentation
      東京大学 本郷キャンパス
    • Year and Date
      2009-05-09
  • [Remarks]

    • URL

      http://k-sawamoto.com/

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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