2007 Fiscal Year Annual Research Report
博物館・美術館教育における足場掛け:学習者中心教育のための館内・外のメディア支援
Project/Area Number |
19650235
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
加藤 浩 National Institute of Multimedia Education, 研究開発部, 教授 (80332146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 眞木子 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (90333541)
近藤 智嗣 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 准教授 (70280550)
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Keywords | 美術史 / 科学教育 / 協調学習 / 博物館学 / マルチメディア |
Research Abstract |
コネクション鑑賞を支援するWed事前学習教材の開発と評価 19年度は学習者が自分の興味にそって美術作品についての知識を得て、その知識を次の作品鑑賞につなげていけるようなInteractiveなWebページを、千葉県立美術館の常設展「浅井忠とバルビゾン派」をテーマにして開発した。その際、Webページは個々の作品の意味ではなく、作品全体に共通する上位概念とそれに連動した絵の見方を学べる仕組みにし、展示全体を理解できる学習教材にした。そして作品鑑賞前に展示の上位概念を理解し、作品の見方をあらかじめ学習しておく仕組みをCognitive Orientation of Museum(COM)と名付けた。COM教材の評価のために、千葉県立美術館を実験場所とし、教材の評価実験を行った。教材評価には、現在多くの美術館で採用されている一つの作品に一つの解説がつくデータベース型の解説教材との比較によって行った。その結果、COM教材利用群の方がデータベース型教材利用群よりも作品の見方をよく理解しているという結果になった。また作品の見方を理解したCOM教材利用群はデータベース型教材利用群に比べ1.5倍も長く作品を鑑賞し、さらに鑑賞後、作品鑑賞体験への満足度が高く、美術鑑賞体験への動機付けも高まったことが明らかになった。そこでCOM教材が利用者の美術館学習体験にどう効果を与えたかを分析してみた。COMを利用した鑑賞者はまず絵の見方を理解し、考えながら絵を見ようとする。そうすると実物の作品から新しい発見があり、予め学習していた知識以上のものを実物鑑賞体験から得ていることが分かった。その結果、学習者の体験の満足度が高まり、体験への動機づけにもなったのではないかと考えられる。
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Research Products
(6 results)