2007 Fiscal Year Annual Research Report
森林開発と人口増加・移動がもたらす感染症リスクの質的・量的評価
Project/Area Number |
19651013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
砂原 俊彦 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 助教 (50264156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 政博 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90131937)
橋爪 真弘 長崎大学, 熱帯医学研究所, 研究員 (30448500)
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Keywords | 森林開発 / 流動人口 / マラリア / エイズ / 下痢症 / リーシュマニア / 洪水 |
Research Abstract |
平成19年度は、以下の3点についての研究を実施した。 1)ラオスにおける少数民族村落でのマラリア調査:サバナケット県セポン郡の少数民族の村では、マラリアの感染率が極めて高いことが、血液のPCR、尿の抗体検査から明らかとなった。蚊帳の使用状況は高いものの、集落周辺に森林が保存されていることから、蚊にさされるリスクが高くなっている。また、町での治療を敬遠する傾向があり、それが感染に影響していた。現地におけるACT(アルテミシニン複合治療)の導入が重要であることが判明した。 2)中国の流動人口を対象としたエイズ研究を中国衛生局CDC、中国エイズネットワーク(NPO)と合同で進める計画を立案し、雲南省での予備調査を実施した。雲南省ではベトナム、ラオス、ミャンマー、タイとの交易と人口移動がさかんであり、国際的な枠組みでの研究が必要なことが明らかとなった。雲南省南部に住む少数民族は貧しく、また、伝統的に麻薬を使用するなどの問題点があり、既存の国家保健サービスでは把握できていない部分が多いことが判明した。多くの女性コマーシャルセックスワーカーは約半年単位で働く都市を変更していた。 3)バングラデシュでは気象・洪水と下痢症の関連を検討し、洪水に対処するローカルナレッジについての研究枠組みを構築した。また、洪水とリーシュマニア(カラ・アザール)の関連も検討した。洪水がおこる地域ではリーシュマニアを媒介するサイチョウバエが少なく、感染も少ない。ベンガリ人はここに住んでいる。一方、山の民であるガロの人びとは丘陵森林地帯に住み、リーシュマニアの流行地域に住んでいることになる。
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Research Products
(4 results)