2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651018
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
家串 哲生 Rakuno Gakuen University, 酪農学部, 講師 (90364249)
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Keywords | 環境会計 / 農業経営 / 農業会計 |
Research Abstract |
平成19年度の研究は、主に対象事例調査を中心に行った。具体的には、農業経営への環境会計の導入に当たり、その対象事例の環境コストの集計範囲、事業活動に応じた分類、集計方法等の検討を試みた。また、事例調査と並行して、環境会計に関する内外の資料・文献等の収集も行った。 対象事例には、研究代表者が定点観測を続けている農業経営体である、リアス式海岸沿いの石積み樹園地で温州みかん等の急傾斜地農業を展開する有機農業者集団、農事組合法人無茶々園(愛媛県西予市)を取り上げた。そして、同経営体の2003年から2005年度のデータを用い、同組織に環境省「環境会計ガイドライン2005」を基に環境会計を導入し、環境コストの算出を図り、その内訳及び割合をそれぞれ示した。その結果、同経営体の生産活動コストには、約2割もの環境保全コストが含まれていることがわかった。これは他産業のそれと比して著しく高い値であるといえる。更には、多面的機能を会計理論上、無形資産として認識・測定し、農業経営における環境負荷低減情報として貸借対照表にオンバランスを行う可能性を模索した。これは、自然産業としての農業の有益性をステークホールダーに開示することを意図したものである。 なお、これらの研究成果については、「農業経営における環境コスト及び環境資産の会計」(日本農業経営学会)、「農業経営における環境コストの認識・測定に関する一考察-農事組合法人Mにおける環境会計導入事例より-」(地域農林経済学会)、「農業経営における環境コスト及び環境資産の会計」(日本社会関連会計学会)として各学会において研究発表を行った。
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Research Products
(3 results)