2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネCPD光回復酵素形質転換体を用いた隔離圃場での、太陽紫外線植物影響評価解析
Project/Area Number |
19651019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日出間 純 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (20250855)
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Keywords | 太陽紫外線UVB / CPD光回復酵素 / 紫外線影響評価 / イネ / 部分置換系統 / 野外環境試験 / 生物多様性影響評価試験 / 隔離圃場 |
Research Abstract |
(1) 太陽紫外線がイネの生育収量に及ぼす影響解析-コシヒカリ部分置換系統を用いた解析 昨年度に引き続き、太陽紫外線がイネの生育・収量に及ぼす影響を評価することを目的に、コシヒカリと、コシヒカリのCPD光回復酵素が座位する第10染色体のみをコシヒカリよりもCPD光回復酵素活性が低下しているインド型イネ・カサラスの第10染色体で置き換えた部分置換系統(SL-229系統)を材料に野外環境試験を行った。本年度は、昨年度行った宮城県(大崎市)での試験に加えて、紫外線量が宮城県よりも高い、鹿児島県(鹿児島大学圃場)において行った。その結果、本年度も宮城県においては昨年同様、SL-229系統はコシヒカリと比較して、玄米100粒重の低下、葯の稔性の低下、さらには玄米が小粒化している傾向が認められた。また、鹿児島県での試験では、宮城県での結果と比較して、同じコシヒカリでも明らかに鹿児島県で栽培した方が玄米100粒重の低下や玄米の小粒化が認められた。以上の結果から、今日の太陽紫外線はイネの生育に障害を引き起こしている可能性が強く示唆された。 (2) CPD光回復酵素遺伝子組換え体を用いた隔離圃場試験 第一種使用規程承認(遺伝子組換え植物の使用に関する大臣承認)に関しては、現在、生物影響評価書を作成して、文部科学省へ申請を行っている。2008年12月に1回目のヒアリング審査を行い、多くの有識者から意見をいただいた。その後、必要と判断された生物多様性影響評価実験を加えて、修正を行い、現在審査中である。
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Research Products
(16 results)