2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノシリカ粒子を用いた放射性同位元素安全使用のための基礎的な研究
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19651022
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 弘一 The University of Tokushima, アイソトープ総合センター, 准教授 (90229906)
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Keywords | 放射性同位元素 / シリカ粒子 / ATP / 放出 / 分解 / ローダミンB / 被包 / 放射能 |
Research Abstract |
平成20年度の研究計画に従って^3H-ナノシリカ粒子を用いて次の2点について検討した。 1.RIシリカナノ粒子の飛散率測定:モデルルームによる^3H-ATP水-エタノール溶液(370kBq/0.01m1)の飛散率が0.018%と測定されたため、今回調製した^3H-ナノシリカ粒子の放射能(1.8kBq/0.1m1)ではほとんどバックグラウンドレベルになることがわかった。このため、2の回収システムの構築において、^3Hの回収率を使ってナノシリカ粒子からの^3Hの溶出を評価することとした。また、^3H-シリカナノ粒子の可視化を行うために、ローダミンB色素を用いて^3H-ナノシリカ粒子の着色法を検討した。その結果、ローダミンB色素-シラン化合物を用いることでナノシリカ粒子を赤色に着色することがでぎた。2.RIシリカナノ粒子の回収システムの構築:^3H-ナノシリカ粒子及びローダミンB色素で赤色に着色した^3H-ナノシリカ粒子水分酸液に2価の陽イオンを添加した後、5分間14000rpmで遠心分離して^3H-ナノシリカ粒子を凝集体として分離した。その後、上澄み液の放射能を測定し、上澄み液中に残存する^3Hの放射能から回収率を算出した。その結果、ローダミンBで着色した^3H-シリカナノ粒子において最大で、99.4%の^3Hを回収することができた。しかし、ローダミンB色素-シラン化合物で着色して粒子径を増加させる前後において48.4%から87.9%まで回収率が変化したことから、回収率は、ナノシリカ粒子の大きさにも依存することがわかった。従って、^3Hの溶出は最大でも0.6%以下である。以上より、^3H-ナノシリカ粒子の赤色着色による可視化と水溶液中からの^3Hの簡便な除去システムの構築による^3Hの安全使用法を提示できた意義は大きい。
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