2008 Fiscal Year Annual Research Report
今後の高齢化世代におけるQOLの計測と福祉サービスの評価・再設計
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19651069
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
杉原 敏夫 Nagasaki University, 経済学部, 教授 (20196736)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 利用者の満足度 / 介護現場のマネジメント / 職員のモラール / アンケート分析 / データマイニング技法 / 地域セグメント / 設立時期セグメント |
Research Abstract |
本研究は今後急速に進むと考えられる高齢化に対して、福祉サービス機関の代表と考えられる「特別養護老人ホーム」について、将来の環境変化を意識した介護現場のマネジメントの評価を試み、今後の方向についての基本的な指針を提供することを目的としたものである。平成20年度においては、前年度に実施された各施設に対するアンケート分析を中心として研究を継続した。アンケート対象の施設は、都市部/周辺部/過疎部/離島部の地域セグメント並びに介護保険導入の前/後の設立時期セグメントの2つの軸において長崎県下の18施設を選定し、各施設の職員と管理者に対し、アンケート実施を行ったものであり、回収率は59.5%であった。 分析は第一部として、全体及び各セグメント別の単純集計と全体サンプルに亘る介護現場の問題構造分析を行った。前者については、全体サンプルにおいて施設管理者とその下で働く職員の間の仕事及び職場に対しての意識の乖離を捉え、検定上有意性の高い項目については、さらに有意水準別の区分化を行い、乖離の問題領域分布を一覧し、職場マネジメントの問題構造が浮き彫りにされた。また、セグメント別の平均値比較分析に付いては、有意性の検定を行い、都市部と離島部との間及び昭和年代の設立施設と介護保険適用後に設立された施設間において、双方における職員の意識の相違が統計的に検証された。後者については、全体サンプルを対象に職員の回答をもとに因子分析を行い、職場モラール及び職場におけるサービス意識についての因子を抽出し、職員意識の構造を検出するとともにそれらの因子について、「職員の職場に対しての帰属性」、「職員の施設の評価」を目的とした回帰分析により、説明力高いものの順位付けを行った。結果としては、2つの最終目的に対して、職場のマネジメント及びそれに対しての職員個々の意識の改革が要求されていることが判明し、施設にあり方に対してのマネジメントに対しての問題の系統的な分析が可能となった。 第二部は次年度課題とし、セグメント別の構造分析及び自由記述項目の分析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)