2008 Fiscal Year Annual Research Report
米国公文書館所蔵の米軍撮影空中写真による東南海地震等終戦前後の災害検証手法開発
Project/Area Number |
19651077
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (70222065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 泉 国土地理院, 地理地殻活動研究センター, 主任研究官 (80370815)
|
Keywords | 災害調査 / 写真測量 / 米軍写真 / 津波 / 地震 |
Research Abstract |
戦時下の報道管制のため「隠された震災」とも言われる東南海地震について、その津波災害を地震の3日後に撮影した空中写真がアメリカ公文書館で発見された。スナップ写真すらあまり残っていないため、明らかになっていない被災状況がつぶさに見え、この写真の発見の意義は、地震研究のみならず地震防災上も極めて重要である。本研究では、終戦前後の時期に発生した東南海地震を初めとする自然災害を記録した航空写真を収集し、a)新発見の航空写真から当時の災害状況が如何に読み取れ、b)その様子をデジタル写真測量学的手法によりどのように表現できるか?また、c)災害教訓を読み取るべく、どのような数値解析が有効かについて、パイロット的に検討することを目的とする。 平成19〜20年度にかけては、まず第一に、米国公文書館所蔵の米軍写真リストから入手した尾鷲、三重県伊勢市、および愛知県半田市付近の写真について検討した。尾鷲においては、写真測量学的検討により、オルソ化が十分可能であり、Lidarで計測した標高データとの照合を行うことができた。写真判読および被害解析的な検討によれば、比高1m程度の微細な地形が津波被害の拡大に大きな影響があったことが明らかになった。また、伊勢市および半田市においては、現地での被害に関する聞き取り調査結果と照合可能な液状化等による被害の分布を把握することに成功した。 さらに、福井地震直後の航空写真を入手し、被害と地盤条件の関係や、地表地震断層の再検討を開始した。
|
Research Products
(2 results)