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2007 Fiscal Year Annual Research Report

多文化社会としての19世紀ガリツィアにおける諸民族文化の軋轢と共生

Research Project

Project/Area Number 19652029
Research Category

Grant-in-Aid for Exploratory Research

Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

伊狩 裕  Doshisha University, 言語文化教育研究センター, 教授 (50137014)

Keywordsガリツィア / レンベルク(リヴィウ) / カルパチア / フツーレ / ウクライナ / ウクライナ / ザッハー=マゾッホ / ハイダマク
Research Abstract

今年度は、レンベルク(リヴィウ)に19世紀に生まれた作家ザッハー=マゾッホを取り上げた。ザッハー=マゾッホの父親はハブスブルク帝国のドイツ人官吏(レンベルクの警察長官)であったが、母親は、ドイツ文化に同化したウクライナ人の家庭の出であり、またザッハー=マゾッホの乳母もウクライナ人であったため、ザッハー=マゾッホは幼い頃から、ウクライナ、とくにカルパチアの風土、またそこ文化に対して深い共感を抱いていた.そのことは、彼の自伝的なエッセイの随所に窺うことができるし、彼のそのような感性は、とくに、カルパチアを舞台とした『八イダマク』という短編にたいへん色濃く表れている。しかし、この『ハイダマク』という作品は、カルパチアの民族誌、風物詩を主眼とした作品ではなかった。枠物語の中の語り手、かつてハイダマクであったフツーレのミコライの口を借りて、ザッハー=マゾッホは、ここで農耕文化に基礎を置くヨーロッパの文化、私有財産制に対する鋭い批判を展開している。同時に、ザッハー=マゾッホはここで「人間の博物誌」としての文学、すなわち道徳的リアリズムの実践も試みている。

Research Products

(1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] ザッハー=マゾッホのカルパチアー『ハイダマク』をめぐって2007

    • Author(s)
      伊狩 裕
    • Journal Title

      東北ドイツ文学研究

      Pages: 77-100

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-03   Modified: 2016-04-21  

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