• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

継承沖縄語話者の文化適応とアイデンティティの言語・メタ言語指標性

Research Project

Project/Area Number 19652039
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

宮平 勝行  University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (10264467)

Keywords言語学 / 継承言語 / 言語維持 / 沖縄語 / diaspora / 危機言語
Research Abstract

平成21年度は,サンパウロ市周辺で実施した聞き取り調査や収集した資料をもとに,継承沖縄語が沖縄人ディアスポラの日常会話やポルトガル語の地域月報,ポピュラー音楽,舞台劇などでどのように用いられているのかを調査した。ポルトガル語で書かれた沖縄の昔話などに出てくる沖縄語の借用に始まり,ポピュラー音楽に表れる沖縄語とポルトガル語のコード切替,移民100周年記念大会で披露された舞台劇での沖縄語のみによる語りなど,様々なコミュニケーションの位相で沖縄語の使用が確認できた。しかしながら,世代が進むにつれて沖縄語は用いられなくなり,3世に至るともっぱら比喩的コード切替(Holmes,2008)を通して沖縄人としてのアイデンティティを指標する様子をレポートした。
一方でこうして失われつつある沖縄語を維持・継承しようとする非営利団体による沖縄語の講座もサンパウロ市郊外のビラ・カロン地区で開かれている。そこで,対面及びオンラインビデオ会議による聞き取り調査と記述式アンケート調査を実施し,沖縄人ディアスポラによる沖縄語継承の試みを報告し,その課題などを探った。考察にあたってはウェールズ語,マオリ語,スコットランド・ゲール語など,代表的な継承言語の研究成果を参照している。研究調査の結果からは,同講座が地域における継承言語の威信を高め,言語アイデンティティの高揚に寄与していることが明らかになった一方で,ディアスポラにおける沖縄語の普及にはいくつかの難しい課題があることを突き止めた。3世代におよぶ受講生の母語,第二・第三言語に関わる文化背景が多様であること,消滅の危機にある沖縄語を越境の地で学ぶ際の教材・人材の不足,さらに共通語としての英語が沖縄入ディアスポラに及ぼす脅威などである。うちなぁぐちの保護・維持にはディアスポラ共同体や沖縄単独の努力ではなく,沖縄を一員とする国際間協力が重要であることを説いた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Language preservation in a transnational context : One Okinawan community's efforts to maintain Uchinaguchi in Sao Paulo, Brazil2010

    • Author(s)
      Peter R.PETRUCCI, Katsuyuki MIYAHIRA
    • Journal Title

      Romanitas : Romance Languages and Literatures 5(印刷中)

      Pages: 18

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi