2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19652068
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田村 孝 Chiba University, 教育学部, 教授 (80179902)
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Keywords | ペルガモン / アッタロス王朝 / 西洋古代史 |
Research Abstract |
平成20年度は19年度に引き続き、ペルガモン王国に関する先行研究を調査・読破することを主眼に置き、5月にはペルガモン王国の彫刻を所蔵している美術館を訪問し、調査を行った。 (1)先行研究調査としては、Wolfgang RADT,PERGAMON Geschichte und Bauten einerantiken Metropole, Darmstadt, 1999やF. QUEYREL, L'autel de Pergame, Paris, 2005などの精査を試みた。平成19年度に引き続き、上記の著作に引用されている古代作家パウサニアスやストラポンなどの記述から、遺跡の様相を復元する作業をつづけた。そのなかでもとりわけ「ゼウスの大祭壇」とその壁面にめぐらされていた「ギガントマキア(神々と巨人族との戦い)」について考察を深めた。 (2)5月にはペルガモン遺跡やヘレニズム時代のローマに関する彫刻像の調査をするために、大英博物館(ロンドン)とニューカールスペア博物館(コペンハーゲン)を訪れた。特に後者においてはヘレニズム時代の小アジアに大きな影響力を持ったルキウス・コルネリウス・スッラとグナエイウス・ポンペイウスの有名な頭像を実地調査し、写真を撮ることができた。 (3)秋からは、こうした先行研究からの彫刻に関する記述と、実地調査した現物との整合性を確かめた。さらに20年度は東地中海世界の政治史のみならず、社会史・美術史の分野からペルガモン王国の特徴を探ることを試みた。
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