2007 Fiscal Year Annual Research Report
「環境の民営化」:市場メカニズムによる自然環境の保全
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19653003
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
ASKEW David Ritsumeikan Asia Pacific University, アジア太平洋学部, 准教授 (90343722)
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Keywords | 環境問題 / 環境運動 / リバタリアニズム / 自由至上主義 / 市場化 / 生態系の民営化 / 国立公園の民営化 / 絶滅の危機に瀕する動植物の保全 |
Research Abstract |
本年度の研究の課題は、第一に環境の民営化、中でも民間の公園のケース・スタディーに関する文献の収集および研究プロジェグト全体の理論的枠組に深く関わるものの収集であった。これらの資料収集を通して、「環境の民営化」についての理論的理解を深めると同時に、それに対する批判的視点の確立を目指した。また、民営化の理論的可能性と現実への適用可能性とを検証してきた。 本年度の研究の第二の課題は、この理論的考察の実践化に関するフィールド・ワークに着手することであった。フィールド・ワークは、「環境の民営化」が進んでいるオーストラリアにて行った。ウォレマイ・パイン(Wollemi Pine Pty.Ltd.)の調査は完成し、またアース・サンクチュアリー(Warrawong Wildlife Sanctuary(Earth Sanctuary))におけるフィールド・ワークはアデレイドにて行った。 第三の課題とは、民営化の理論的可能性と現実への適用可能性とを検証しつつ、研究論文の完成に取り組むことであった。現段階では、「民営化される自然環境-市場による公共財の供給に関する理論的考察」(仮題)という研究論文の執筆をほぼ完成しており、これを完成した上で学術雑誌に投稿する予定である。これまでの研究成果、あるいは今後の課題を明らかにしていくことを目指して、「環境の民営化」の理論的再構成やその可能性と限界とを整理する一般理論の研究として発表したいと考えている。同時に、民営化の理論的可能性と現実への適用可能性とに関する申請者の結論を、従来のリバタリアニズム研究の枠組の中に位置づけて、その全般的解明を目指す。その際、リバタリアニズム理論を導入した上での考察を試みる予定だ。
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Research Products
(4 results)