2008 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢・人口減少社会への対応策としての大学就学年数短縮の効果測定に関する研究
Project/Area Number |
19653045
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 利勝 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 教授 (90124536)
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Keywords | 少子・高齢化社会 / 人口減少社会 / 大学就学年数 / ボローニャ宣言 / 教育制度 / 奨学金 |
Research Abstract |
教育制度の専門家と文科省の政策立案担当者に対するインタビューからは、日本における教育制度の研究においては現行の就学年数を短縮することによる影響等に関わる議論はこれまでなかったことや、就学年数の問題よりも大学教育の質が第一であること、奨学金は財源が財政投融資であから貸与数を増やすことは難しくないこと等を聞くことができた。国立K大学の教養原論受講生約3,000名のうちから500人を抽出して質問紙調査を実施し、344名から回答を得た。世界には学部教育が3年制の国があることを知っている学生は20%ほどで、国名まで知っている学生は数%にすぎない。日本でも3年で卒業可能であることを全く知らない学生が50%を超えている。その制度を「活用したい」という学生はごくわずかで、「活用したくない」とする学生が60%を占め、30%は「わからない」と回答している。3年制に対する関心は、「とても興味がある」4%、「少し興味がある」34%、「あまり興味がない」39%、「全然興味がない」23%である。3年制になった場合の影響として、「そう思う」の割合が大きい順に並べると次の通りである。「親の経済的負担が減る」90%、「自由に過ごせる時間が減る」84%、「十分な学力や技術を身につけないで卒業することになる」75%、「仕事に早く就くことができ、働ける期間が長くなる」70%、「専門教育を早くから受けることができるようになる」60%、「労働力が増える」60%、「年金財源が増える」44%、「集中的に勉学に励むようになる」34%、「結婚が早くできるようになる」34%、「国の税収が増える」32%、「奨学金がもらいやすくなる」16%である。そして、学部教育3年制案への賛否を尋ねたところ、「賛成」は10%で「反対」が60%、「わからない」が30%であった。
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Research Products
(1 results)