2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19653077
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川原 稔久 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (30309356)
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Keywords | 箱庭療法 / 砂に触れること / PAC分析 / イメージの生成 / 主体の形成 / 身体感覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、箱庭療法において砂に触れることが制作者にとってどのように体験されるのかを分析することにある。平成19年度は、箱庭の継続制作における内的な体験を、非言語的データ(VTRおよび描画)と言語的データ(PAC分析)の形で、以下の要領で収集した。 1.箱庭制作を継続的に体験する対象者グループの形成(平成19年6月〜7月)臨床心理学分野の大学院生が心理臨床技法を習得するために、トレーニング・グループを形成し、イメージ技法を体験するグループ・ワークを実施した。その後、箱庭の継続制作による自己体験を希望し研究協力への同意を得られた5名の大学院生(女性、22歳〜23歳)を対象者とした。 2.箱庭の継続制作と描画・VTRデータの収集(平成19年8月〜平成20年2月)上記5名の対象者の個々に箱庭制作を継続的に実施し、箱庭制作のたびに箱庭製作過程のVTRを記録し、箱庭体験に関する自由描面を施行。なお、実際の箱庭療法と近似的な状況を実現するために、制作回数と制作ペースは、個々の対象者と話合いながら決定した。(事例1:12回、事例2:11回、事例3:12回、事例4:13回、事例5:8回制作) 3.PAC(個人別態度構造)分析の実施(平成20年3月)上記5事例に関して各2セッションのPAG分析を実施。「砂の体験」に関する自由連想語に関して、クラスター分析を行い、各クラスターおよびクラスター間の解釈を行った。その結果は、20年度の心理臨床学会および箱庭療法学会にて発表予定。
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