2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19653077
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川原 稔久 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (30309356)
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Keywords | 箱庭療法 / 砂に触れること / PAC分析 / イメージの生成 / 主体の形成 / 身体感覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、箱庭療法において砂に触れることが制作者にとってどのように体験されるのかを分析することにある。平成20年度は、19年度の実施した箱庭制作とPAC分析5事例に関するデータを基に以下の研究発表を行った。 1.「箱庭継続制作における砂の内的体験-箱庭制作5事例の砂に関するPAC分析から-」(日本心理臨床学会第27回大会基礎・調査研究B309発表論文集p.224筑波国際会議場2008年9月5日)においては、箱庭継続制作5事例の箱庭の特徴とPAC分析による内的体験の構造を分析し、砂に触れることが根源的自然と無限の物に触れる体験となり、それによって変容が生じ、非日常的でヌミノースな体験に開かれる可能性があることを呈示した。 2.「箱庭の砂に触れることとイメージ-作成過程の検討とPAC分析を通して-」(日本箱庭療法学会第22回大会研究発表A-2発表論文集p.71-71愛知教育大学2008年10月26日)においては、とくに1.の研究発表で砂に対するambivalentな体験を呈した箱庭継続制作2事例について、制作過程のactivityをVTRから分析し、箱庭の特徴およびPAC分析による内的体験構造との比較検討を行った。箱庭の砂に触れる体験が主体の内面に触れる体験となり、砂の動きと主体の動きが対応すること、境界とその向こう側というイメージや主体の核となる中心イメージをめぐる動きが表現されうることを呈示した。 3.「箱庭の砂に触れることに関する臨床心理学的研究」(くすの木印刷2009年3月31日発行)では、箱庭制作とその直後の自由描画について分析すると共に、本研究全体の成果として、箱庭の基盤を構成する一要因である箱庭における砂に触れることが、砂を体験する主体のあり方そのものに影響することを呈示した。
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Research Products
(3 results)