2008 Fiscal Year Annual Research Report
教師の人格形成についての臨床教育学的研究-「危機」体験のエスノグラフィー
Project/Area Number |
19653095
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
荒井 聡史 Nagano Prefectural College, 幼児教育学科, 准教授 (60321197)
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Keywords | 教育学 / エスノグラフィー / 現象学 |
Research Abstract |
平成20年度は本研究の展開段階として、以下の内容で研究を進めた。 (1) 人格概念の系譜学的分析を継続して行った。 (2) 平成19年度における調査方法の検討にもとづいた、教師のライフヒストリー研究としてのインタビュー調査を幼稚園教諭に対して4件実施した。 (3) インタビュー調査結果についてテープ起こしした内容をもとに分析した。特に、教師としての資質形成過程における「ゲシュタルト・クライシス」を指示するものとして位置づけられるようなキーワードの抽出を主眼として分析したが、幼稚園教諭の場合、社会的、特に教育行政施策の変化に対応した危機体験の感得状況が強く、これをライフステージ論的に展開できるかという点については疑問であった。 (4) 上記インタビュー調査結果の分析にもとづき、新たな調査方法、研究方法の再検討の必要性が明らかとなってきた。すなわち、教師の危機体験が社会状況の変化に大きな影響を受けざるをえないのであるとしたら、そのような影響をどのような因子として研究過程の中に位置づけか、という課題である。これは平成21年度への継続課題となっている。 上記研究経過により、平成20年度に予定していた学会発表、論文投稿等の成果発表までは至らなかった。平成21年度は本研究の成果を発表する予定である。
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