2008 Fiscal Year Annual Research Report
小中学校の暴力行為に関する基礎的研究:小学校の発生過程と小中間の連関
Project/Area Number |
19653114
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
滝 充 National Institute for Educational Policy Research, 生徒指導研究センター, 総括研究官 (50163340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 達也 国立教育政策研究所, 生徒指導研究センター, 次長 (90462168)
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Keywords | 小学生 / 中学生 / 暴力行動 |
Research Abstract |
(1)19年度末に実施した「小学校学級担任調査」では、愛知県A市の協力を得て、6つの小学校の4〜6年生の学級担任から、暴力行動等で気になる児童26名の情報を収集した。その中の6年生11名(母集団は850名あまり)に着目し、彼らが中学1年生になった20年度の変化を追跡した。2年間分のデータからは、次のような知見が得られた。 (1)11名中6名については、軽度の発達障害や規範意識の未熟さ等の問題から、小学校教諭によって「暴力的」と評価された可能性が高い。必ずしも積極的に他人を攻撃しているわけではなく、行為を自制できないことで、結果的にトラブルを起こしていると見られる。 (2)一方、残る5名については、ストレス症状が顕著に見られ、それがいじめ等の攻撃的な行為に向かわせている可能性が高い。中学に進学してストレス状態が緩和された場合には、暴力的な行動がなくなった事例も見られた。 (3)中学校の「暴力」の把握は、後者の事例が中心となっていることからと、小学校の把握との間にズレがあることがわかった。 (2)ヨーロッパの学校における暴力事情の調査からは、以下の知見が得られた。 (1)欧米のbullying概念が、日本で言うところの「いじめ」と「暴力行為(校内暴力)」を明確に区別しないまま論じられている。 (2)その背景にあるのは日本とは比べものにならないほど激しい「暴力行為」が日常化していること、等が分かった。
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