2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾畑 伸明 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
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Keywords | 量子確率論 / ランダムグラフ / スペクトル / 複雑ネットワーク / 直交多項式 / 隣接行列 / モーメント / 量子分解 |
Research Abstract |
グラフ(有限または無限)に様々な行列や作用素(隣接行列・Q-行列・ラプラシアン・推移行列など)を付随させて、そのスペクトルからグラフの構造を解き明かそうというのがグラフのスペクトル解析である。スペクトルの計算において、(a)多様な独立性(b)量子分解法(c)分割の統計、を柱とする、量子確率論的な手法の有効性が明らかになってきている。これは古典(可換)的な問題を非可換な世界を経由して解決するという点においても興味深い。本研究では、量子確率論的手法をランダムグラフに適用できる形に拡張することを目的としている。前年度に引き続いて、1)ランダムグラフに適用できる形に量子分解法を一般化し、2)ランダムグラフの希薄極限のスペクトル密度を導出することを目指した。ランダムグラフは複雑ネットワークのモデルとしても興味深いので、その観点から、ワッツ・ストロガッツ模型の修正モデル(一般化エルデシュ・レニーモデルと呼ぶ)を提案している。このモデルについて、平均スペクトル分布のモーメント公式の詳細を研究し、組合せ論的観点から表式の簡単化を行った。その密度関数の具体形については継続研究中である。さらに、量子分解法の一般化のために、具体的な多変数直交多項式系について資料の検討を行った。成果の一部は国際会議KOTAC2008(韓国)で発表した。また、ポーランド・クラコフ大学のランダムグラフの研究グループとの研究交流を開始した。
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Research Products
(12 results)