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2008 Fiscal Year Annual Research Report

「生きた化石」Gromiaを用いた真核単細胞生物初期進化の解明

Research Project

Project/Area Number 19654078
Research InstitutionJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Principal Investigator

山本 啓之  Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 極限環境生物圏研究センター, グループリーダー (30182645)

Keywords真核生物 / 有孔虫 / Gromia / 生物進化 / キチノゾア
Research Abstract

本年度は新たな試料を採取し,微小電極による細胞内の酸素濃度および硫化水素濃度測定ならびに個体内微生物の遺伝的多様性解析とTEMによる微細構造の観察を行い,Gromiaの適応生態を推測し,成果を取り纏めた.これまでに,細胞内の磁性鉱物が個体の姿勢制御に用いられる可能性があること,姿勢制御に伴い堆積物内部の貧酸素環境にまで達するような仮足の展開がみられること,炭素および窒素同位体分析により,個体の中心部に比べて殻周辺の栄養段階が高いこと,個体の中心部には硫化鉄粒子が存在し,個体内環境あるいはバクテリア代謝によって生産されている可能性が高いことが示唆された.本年度のTEM観察により,Gromiaは有機膜状の厚い殻,細胞外膜,細胞外膜に近接する細胞,個体内の堆積物からなる4つの部位に分かれることが明らかになった.Cromia個体は,細胞が外膜に沿って存在し袋状の形態であり,中心部は堆積物からなる.この観察結果は,殻周辺の栄養段階が中心部に比べて高いことと一致する.また,微小電極による測定では,個体内で溶存酸素濃度の低下がみられた.このことは,硫化鉄粒子が個体内に存在すること調和的である.また,Gromia個体は新鮮な有機物を餌として取込まないことから,微生物による分解産物を餌として利用している可能性がある.このため,個体内部のゴミ溜めや堆積物内部への仮足の展開は,貧酸素環境や貧栄養海域で餌資源を効率よく取り込むための戦略である可能性が考えられる.一方,細胞内のバクテリアの遺伝的多様性解析では,周囲の堆積物に存在するようなバクテリアが存在した.
本研究の成果は,平成21年5月に開催される地球惑星科学連合大会において公表する.

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Published: 2010-06-10   Modified: 2016-04-21  

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