2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高速度速度シアをもつ微粒子クーロン流体のミクロ構造成長
Project/Area Number |
19654086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 哲 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20151227)
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Keywords | 微粒子プラズマ / ダストプラズマ / 速度シア流 / クーロン流体 / ミクロ不安定 / 渦 / レイノルズ数 |
Research Abstract |
プラズマ中に導入された微粒子は負に帯電し、そのクーロンカが熱運動エネルギーを上回り, 微粒子の集団的振舞いを決定するため, 通常の流体とは異なるクーロン流体としての特性を示す. 本研究では, 微粒子集団に高速速度シア流を発生させる独自の方法によって引き起こされた微粒子渦流の特性を解明し, 以下のことを明らかにした. 1. 微粒子渦流の発生領域に存在する中性Arガスの効果 背景Arガスのレイノルズ数は極めて小さく, 粘性が支配的で、乱れがないことが, 単一微粒子の軌跡から明らかになった. ガス圧力増加でガス粘性の効果が顕著になった. 2. 微粒子渦流の発生領域に存在するプラズマ揺動の効果 プローブを挿入し, プラズマ揺動の観測を行なったところ, プラズマは極めて静かであり, 微粒子の運動に影響を与えることがないことが分かった. 3. 微粒子渦流の発生条件 シア流の流速が遅いときには, 微粒子流は層流的な振舞いを示す. 流れの境界層では微粒子同士のクーロン衝突現象が観測される。流速が増すと, 相互作用は境界層の外側にまで及び, 集団的な擾乱が発生し, やがて渦の形成が観測された. 4. 流れの中の微粒子の挙動 境界層に近いところでは, 複雑でカオス的な振舞いを示すことが, 微粒子座標の時系列データを解析することで明らかになった. 速度位相空間の挙動もカオス的な振舞いを示すことが明らかになった. 以上により, 帯電微粒子流体の不安定性や挙動についての新しい知見が得られた.
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