2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオレフィン表面への機能性微粒子の簡便な固定法の開発
Project/Area Number |
19655085
|
Research Institution | Fukushima Technology Centre |
Principal Investigator |
吉田 正尚 Fukushima Technology Centre, 主任研究員 (50391040)
|
Keywords | 自己組織化 / 表面・界面物性 / ナノ材料 / 結晶成長 |
Research Abstract |
ゴミ袋などに用いられるポリエチレン(PE)等のポリオレフィン(PO)類は一般にその化学構造から表面不活性であり、後加工による着色等の表面修飾が非常に困難な材料である。POの表面修飾は原着法やコロナ放電処理法等が提案されているが、これらの方法では顔料等の微粒子がPO基材内部に分布したり、またその処理によりPO自体が傷む為に物理的特性が低下しPO本来の強度が発揮できない欠点があった。そこで結合剤と微粒子を含んだ液相中でPO基材表面に微粒子を固定する、ゾル-ゲル法を基にした方法を独自に開発した。即ちシラン系結合剤と各種機能性微粒子を分散させた攪拌液相中でPO基材を浸漬させると微粒子が次第に基材表面に固定されていく現象を利用した新たな製造方法である。 本研究では表面不活性なはずのPO基材に何故前述の方法で表面修飾が可能なのかを検討することを目的とした。その結果、本現象はある一定の条件(1.微粒子の粒径、2.結合剤分子の選択、3.基材の結晶配向性など)を同時に満たした時に現象発現出来ることが判明した。即ち微粒子の要件として粒径が1μm以下の粒径であることと、結合剤の要件として結合剤分子の末端基にPOと同元素で親和性のある多数のCH基を有する分子を選択することと、PO基材の要件として結晶化度が50%以上になると除々に微粒子が固定されていき結晶化度が90%以上になると実用に耐えうる強固な微粒子固定ができる事が判った。従ってそれらり条件を満たせばPO基材の形態を問わず糸、平板、バルク体成形品等にも適用可能であった。また微粒子の種類を変えることで様々な機能(例:W微粒子で高比重化、アルミン酸ストロンチウム微粒子で蓄光化など)を基材に付与出来た。更にシラン結合剤分子の末端基CH基をCF基で置換するとPTFE等のフッ素樹脂にも適用で表面修飾可能であったため特許出願を行った。
|
Research Products
(4 results)