2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活空間の温湿度・ふく射環境を自律制御する壁システムの開発
Project/Area Number |
19656057
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 俊郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30111941)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 英信 京都大学, 工学研究科, 助教 (00273467)
|
Keywords | ふく射冷却 / バイオマス / 多孔性金属 / 高熱伝導性 / 吸湿性 / 生活環境 / 地球環境 / エネルギー |
Research Abstract |
本研究は,熱工学の立場から人間の生活環境と地球の自然環境のほどよい共生を図ることをめざす萌芽的な研究である.人間の生活環境の改善はわれわれの当然の希望であり,とりわけ日本の蒸し暑い夏を快適に過ごすための努力はあってよい.ところが,その生活環境の快適さを実現するために空気調和機器(エアコン)をもってすれば,その使用電力分が地球大気に熱として放出され,さらにその電力生産にともなう熱が大気に放出されて,地球の温暖化を促進する.すなわち,エアコンに頼って快適さを追求しつづける限り,生活環境と地球環境との共生は難しい. 本研究の要点は,(1)壁によるふく射冷却と(2)水蒸気を呼吸する壁である.電力よりは自然の自律制御機能に依存して人間の快適さを追及することである.本研究では,夏に涼しく冬に暖かい生活・暮らしの実現に貢献できる技術の開発のために,ふく射伝熱と水蒸気を呼吸する高熱伝導性の多孔質体に注目する.自律的な生活環境制御機能をもつ生活空間の壁をバイオマスの暖かさをもって実現することをめざす.このような人間生活と自然現象を見つめる熱工学研究の萌芽が育つことの社会的意義は大きいと考える. 平成19年度(初年度)は,室内の生活空間における伝導伝熱・対流伝熱・ふく射伝熱・相変化をともなう熱・ふく射・物質輸送(heat, radiation and mass transfer)現象を考察し,その現象をよりよく制御するための生活環境自律制御型の高熱伝導性・高吸湿性の室内壁ユニット(第一壁)の開発を行った.すなわち,まず,計10種の第一壁の試料を作製した.次に,測定装置を作製し,第一壁の(有効)熱伝導率・(全垂直)放射率・平衡(質量)含水率を測定した.
|