2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19657027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 憲治 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30136163)
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Keywords | 概日時計 / ショウジョウバエ / 寿命 / 時計間脱同調 / 活動リズム |
Research Abstract |
本研究では、キイロショウジョウバエを用いて、中枢時計間および中枢時計と末梢時計間の脱同調が寿命に影響するかどうかを解明することを目指している。本年度は以下に示す研究成果を得た。 1. 時計間の脱同調を誘導する条件を検討するため、各種光、および温度条件下で野生型およびcry^b突然変異系統の活動リズムを解析した結果、cry^b系統が、恒明条件下で長周期および短周期の2つの成分を、また異なる周期の光周期と温度周期を組み合わせた条件下でも、光同調成分と温度同調成分の2つの周期成分をあらわすことを明らかにした。 2. 明暗条件下と恒明条件下で野生型およびcry^b系統の生存曲線を雄、雌それぞれについて求めた。50%生存率の日数を検討したところ、野生型では明暗条件下と恒明条件下では有意差が無かった。野生型では恒明条件下では時計が停止することが知られており、この結果は、時計が停止し無周期となっても、寿命には影響しないことを示している。一方、cry^b系統の雄では、恒明条件下での寿命が明暗周期下に対して短縮することがわかった。雌でもわずかではあるが同様の傾向が見られた。恒明条件下ではcry^b系統は時計間の脱同調を生じる。従って、この時計間の内的脱同調が寿命を短縮させた可能性が示唆された。今後は脱同調した成分に対応する時計細胞を明らかにするとともに、異なる周期の温度周期と光周期を用いることで時計間の外的脱同調を誘発し寿命を検討する計画である。
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