2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19657027
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 憲治 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30136163)
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Keywords | 寿命 / 概日時計 / 時間的秩序 / 時計遺伝子 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
1.明暗13:13および30℃20℃11:11の光および温度周期条件下で、野生型およびcry^b系統の生存曲線と活動リズムを解析した。野生型では明暗12:12、25℃恒温よりも寿命が有意に長くなることがわかった。同じ条件下での活動リズムは、温度周期により修飾されるが光周期への強い同調性を示した。cry^b系統では寿命の変化はほとんど見られず、光と温度にそれぞれ同調する2つの周期成分が検出された。cry^b系統を用いた免疫組織化学により、脳側方部ニューロン(LNs)と脳背側部ニューロン群(DNs)の一部が強い光同調性を、DNsの一部が強い温度同調性をもつことが示された。 2.pdf発現細胞を遺伝的に欠損させたpdf-ga14/UAS-rpr,hidでは、明暗13:13および30℃20℃11:11の光および温度周期条件下で、雌雄いずれも親系統であるpdf-ga14,UAS-rpr,hid系統よりも有意に長寿となった。同様の結果がcry^b突然変異を持つpdf-ga14/UAS-rpr,hid:cry^b雄でも観察された。この結果からは、pdf発現細胞の欠損により時計細胞間の脱同調が抑制され、これが寿命の延長に繋がった可能性が示唆された。 3.一方、cry^b系統では常に野生型よりも寿命が短縮する傾向があるが、UAS-rpr,hid;cry^bおよびpdf-ga14/UAS-rpr,hid;cry^bではいずれもそれに対応したUAS-rpr,hidおよびpdf-ga14/UAS-rpr,hid系統より有意に寿命が短縮した。この結果から、cry遺伝子が寿命に関与する可能性も示唆された。
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Research Products
(9 results)