2008 Fiscal Year Annual Research Report
天敵クラゲによる有害クラゲの制御法の開発に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
19658076
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上 真一 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (80116540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小路 淳 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (10397565)
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Keywords | ミズクラゲ / エチゼンクラゲ / 大量出現 / 天敵クラゲ / 発生制御 |
Research Abstract |
本研究は、ミズクラゲやエチゼンクラゲなどの有害クラゲを捕食する天敵クラゲを探索し、その捕食能力を利用した有害クラゲ種の発生制御の開発を目的としている。今年度は下記の研究成果を得た。 (1)天敵クラゲ種の探索と捕食能力の測定 水温25℃において、有櫛動物のウリクラゲ(湿重量:約20g)は体重約10gのカブトクラゲを1日に最大2個体捕食した。水温20℃において、刺胞動物のユウレイクラゲ(湿重量:約300g)は体重130gのミズクラゲを8時間で完全に捕食した。アカクラゲ(湿重量:約150g)は体重5gのエチゼンクラゲを2-3時間で完全に捕食した。オキクラゲは自らより大型のミズクラゲを捕食可能であった。また、アマクサクラゲもミズクラゲやエチゼンクラゲを捕食可能であった。以上のように、旗ロクラゲ目の中で比較的強い刺胞毒を有する種類は、他のクラゲ種を捕食し、天敵として機能することが明らかとなった。 (2)安定同位体比に基づくクラゲ類の餌-捕食者関係 瀬戸内海に出現するカブトクラゲ、ミズクラゲ、アカクラゲの安定同位体比から、それらの食性を推定した。安定同位体比はいずれもカイアシ類などの動物プランクトン食性を示し、本方法では天敵クラゲとなるクラゲ種を特定することはできなかった。 (3)汽水湖におけるミズクラゲの餌生物と共食い可能性の調査富栄養汽水湖である中海本庄工区には膨大なミズクラゲ個体群が出現する。それらの消化管内容物を調査することにより、餌生物の特定と共食いの有無の調査を行った。ミズクラゲは湖内に出現するカイアシ類などの動物プランクトンをほぼ無選択に捕食しており、ミズクラゲを餌として捕食することはなかった。サイズの異なるミズクラゲ同士を水槽内に収容しても、共食いを行うことはなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Distribution of moon jellyfish Aurelia aurita in relation to summer hypoxia in Hiroshima Bay, the Seto Inland Sea2009
Author(s)
Shoji, J., Kudo, T., Takatsuji, H., Kawaguchi, 0., Kasai, A.
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Journal Title
Estuarine, Coastal and Shelf Science (In press)
Peer Reviewed
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