2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19658098
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
上田 博史 Ehime University, 農学部, 教授 (30116884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 哲也 愛媛大学, 農学部, 准教授 (80346832)
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Keywords | ヒナの右利き・左利き / 選択試験 / インターバル撮影 |
Research Abstract |
二者択一の選択試験は、飼料原料の嗜好性や動物の栄養素摂取調節能力の有無を調べるために必要な手法である。ヒナが組成の異なる2種類の飼料の違いを識別して理にかなった食べ方をするということは、同じ飼料を2つの給餌器から与えた場合、左右の給餌器からの摂取量は同じになるはずである。この仮説を確かめるために、飼育試験を行うと、確かに左右の給餌器からの摂取量は同じになる。しかし、結果を仔細に分析すると、試験開始直後は、あるヒナは右側の給餌器から、別のヒナは左側の給餌器からもっぱら飼料を摂取し、その羽数がほぼ半々なので、平均すると左右の給餌器からの摂取量が同じになることが分かった。この結果は、ニワトリヒナの右利き・左利きとして既に論文として公表した。 19年度は,例数を多くして、右利き・左利きが普遍的に存在することを確認した。このように特定の給餌器に固執するヒナがいると、選択試験の結果に誤りが生じる例も存在した。次に、デジタルカメラによるインターバル撮影とビデオカメラを用いた連続撮影による行動観察の結果が一致することを確かめ、インターバル撮影を使って、特定の給餌器に対する固執の解消が早いヒナは、伏臥姿勢が少なく活動的であることを明らかにした。さらに、右利きと左利き、あるいは同じ利き腕をもつ2羽のヒナをペアにしても、左右一方の給餌器から食べるという行動がみられることを見いだした。ただ、単飼のとき、右利きだったものが右側から、左利きが左側から食べるということはなく、常に連れ添って食べる。好みの給餌器の位置がペアにするとリセットされることは、右利き・左利きの行動は先天的なものではなく、偶然の結果という可能性も含め、他の因子が関与していることを示した。
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Research Products
(1 results)