2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮地 良樹 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30127146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 明子 京都大学, 医学研究科, 助教 (80432368)
中村 元信 京都大学, 医学研究科, 助教 (30303837)
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Keywords | 円形脱毛症 / C3H / HeJマウス / CD25 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
円形脱毛症の新規の治療法を模索するために、円形脱毛症の活動期の毛包周囲に浸潤している細胞の種類を免疫組織化学法によって検討したところ、CD4陽性CCR5陽性細胞がCD4陽性CCR4陽性細胞より有意に多く、Th1型の反応がTh2型の反応より優位であると考えられた。続いて円形脱毛症モデルマウスC3H/HeJマウスを用いた実験を行った。このマウスは加齢とともに脱毛斑を自然発症し、毛包周囲にCD4陽性リンパ球、CD8陽性リンパ球が浸潤し、局所免疫療法が奏効し、ヒトの円形脱毛症に似た症状を呈す。このマウスの脱毛斑にインターロイキン4を毎日3週間局所注射すると、コントロールと比較し、脱毛の改善率は高かった。さらに抗インターフェロンガンマ中和抗体をC3H/HeJマウスの脱毛部に1週間毎日局所注射すると、ラットIgGを注射したコントロール群と比較し、脱毛斑の改善率が高かった。次に、インターロイキン4投与時の脱毛斑における各サイトカインmRNAの発現を半定量的RT-PCR法を用いて行った。その結果、脱毛斑においては非脱毛部皮膚よりインターフェロンガンマmRNAの発現量は有意に高いが、インターロイキン4投与により、インターフェロンガンマmRNAの発現量が抑制されることが明らかとなった。さらに、インターロイキン4投与前後の脱毛斑のCD8陽性リンパ球浸潤を免疫組織学的に検討したところ、インターロイキン4投与後、脱毛が改善するにともなって、毛包に浸潤するCD8陽性リンパ球数は減少していた。続いて制御性T細胞を抑制、減弱させる2種類の抗CD25抗体をこのC3H/HeJマウスに腹腔投与したが、円形脱毛の自然発症率は増加せず、制御性T細胞の円形脱毛症における役割を平成20年度にさらに検討を行う。
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Research Products
(8 results)