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2008 Fiscal Year Annual Research Report

オートファジーと気分安定薬の作用機序

Research Project

Project/Area Number 19659295
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

吉川 武男  The Institute of Physical and Chemical Research, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー (30249958)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大西 哲生  独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (80373281)
Keywordsリチウム / 気分安定薬 / リチウム / オートファジー / 双極性障害 / イノシトール枯渇仮説 / LC3 / IMPase
Research Abstract

気分安定薬の作用機序とオートファジー活性の関連、さらにイノシトール枯渇とオートファジー活性の関連を探るため、遺伝的イノシトール生成不全マウス(Impa1機能欠損マウスとImpa2 KOマウス)、あるいは気分安定薬であるリチウムを慢性投与したマウスにオートファジー活性の亢進が見られるかについて詳細に検討した。LC3タンパク質のI型からII型への変換を指標にしたとき、いずれのIpmaマウスにおいてもオートファジー活性の上昇の兆候を見いだすことはできなかった。さらに、リチウム慢性投与マウス(炭酸リチウム含有餌を使用)においては、血中リチウム濃度が治療濃度に達することを確認し、さらに鬱指標評価系として汎用される尾懸垂テスト、強制水泳テストにおいて無動時間が顕著に減少したが、このようなマウスにおいてもLC3 Iの減少あるいはLC3 IIの増加を認めなかった。これらのことから、1)Impa1,Impa2のいずれの遺伝子産物も直接オートファジーを調節する分子ではなく、2)気分安定薬としてのリチウムの作用は、オートファジー活性の上昇を介したものではないと考えられた。ただし、気分安定薬の作用が、LC3のII型への変換などを指標としていては判別できないほどの弱いオートファジー亢進作用を介している可能性や、Impa1あるいはImpa2を欠損させても、オートファジー活性を誘導するのに十分なイノシトール枯渇を引き起こすことができなかった可能性は排除できないと考えられる。脳内のイノシトール濃度別課題として進行中の双極性障害あるいは統合失調症脆弱性遺伝子のゲノムワイド関連解析においても、オートファジー関連遺伝子がこれらの疾患脆弱性に関与する遺伝子であるという示唆も得られなかった。現在、これらの結果を論文化すべく鋭意努力中である。

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Published: 2010-06-10   Modified: 2016-04-21  

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