2007 Fiscal Year Annual Research Report
閉経期骨粗鬆症の神経系を介した新規発症メカニズムの解杭
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19659382
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土井 俊郎 Kyushu University, 大学病院, 助教 (60346799)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 交感神経 / RankL |
Research Abstract |
エストロゲン減少が閉経期骨粗鬆症発症に重要であると考えられているが、それは骨へ対する直接作用であるのか、もしくは他の経路を介した経路が存在するのかはわかっていない。我々は、閉経期骨粗霧症の発症要因として交感神経による骨への直接作用があるのではないかとの仮説を立て、それを検証するために研究を行っている。まず交感神経から骨への作用が直接的に作用することを示すためにラットの交感神経切除を行い、片側下肢のみ交感神経の作用を失ったモデル動物の作成を試みた。開腹手術にて、メスラットの腹腔交感神経節片側を直視下に切除するモデル6匹を作成した。切除後2ヶ月でラットの大腿骨を採取し、マイクロCTにて両側の大腿骨の骨密度の比較を行った。両者の比較で有意差を認めなかった。また、メスラットにおいて片側交感神経外科的除去モデルで更に卵巣を除去したエストロゲン減少モデルを6匹作成し、マイクロCTでの骨量変化を左右の大腿骨について調べたが有意差を認めなかった。この際、交感神経節の外科的切除により交感神経の機能が本当に片側のみ阻害されているかどうかが問題と考えた。なお、交感神経にRankLが発現して骨への直接作用があるのではないかとの仮説を証明するために、ラット腹腔内交感神経節およびラット頸部交感神経節より採取した組織を用いてRankL発現をPCRで確認した。腹腔内交感神経節および頸部交感神経節ともmRNAレベルでRankLの発現を認めた。交感神経細胞にRankLが発現しており、機能している可能性を示唆し、これは今まで報告されていない知見と考えた。
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