2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 Osaka University, 歯学研究科, 講師 (40324793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荘村 泰治 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (10154692)
寺岡 文雄 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00099805)
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Keywords | ハイドロゲル / 細胞機能制御 / 骨格筋組織 / 細胞パターニング |
Research Abstract |
生体骨格筋組織は一列に整列した筋芽細胞が隣り合った細胞と融合し、三次元的に高度に配向した筋線維を生成する。このように生体内では三次元的に高度に制御された細胞のパターニングや配置が様々な組織において確認できる。本年はハイドロゲル内にてこの骨格筋組織用三次元パターニングを人工的に再現することを目的に研究を遂行した。三次元ゲル培養基材としてフィブリンゲルを使用し、このゲルをカスタムメードの持続伸展装置を用いて一軸方向に伸展したところ、ゲル内にてフィブリン細繊維が凝集した繊維束が伸展方向と一致して形成されることが明らかとなった。このゲル中における筋芽細胞および骨芽細胞の培養により、これら細胞が三次元的に一軸方向に並ぶこと、さらにこれら細胞が一軸方向に増殖し、結果的に一列に並んだ細胞集合体を作製できることを示した。この三次元構造体は実際の骨格筋組織と非常に近似していることが確認できた。 最近、細胞培養基材の堅さを変えることで細胞機能変化が達成できることが報告された。この方法は新しい細胞機能制御技術として注目されている。そこで、このゲル内での細胞機能制御を目的にゲルの伸展割合を変えて三次元培養を行った。その結果、伸展割合を高めると細胞増殖が促進され細胞分化が抑制されること、反対に、伸展割合を低くすることで細胞分化が促進され、細胞増殖が抑制されることが確認できた。以上のように三次元ゲル内での細胞パターニングさらには細胞増殖、分化などの制御を簡便にできる技術を確立できた。
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