2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659569
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
工藤 綾子 Juntendo University, 医療看護学部, 教授 (20258974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲冨 惠子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10053141)
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Keywords | 災害 / 集団避難生活 / 感染症マニュアル |
Research Abstract |
1.柏崎市の仮設住宅に在住する被災者への調査結果:117名から回答が得られた。被災者の集団避難期間は3週間から1ヶ月の人が最も多く38名(33.3%)、1ヶ月以上が34名(29.8%)であった。集団避難生活の中で一番困ったことは「就寝に関すること」が90名(79.6%)、「排泄に関すること」が78名(69.0%)、そのほかに飲食に関すること、清潔などであった。清潔の困った内容では、「入浴」が最も多く、次に「手洗い」、「掃除」、「感染症」となっていた。排泄後の手洗いを実施していたのが105名(93.8%)で、消毒薬を用いた手洗いが最も多かった。感染症を意識した人は58名(57.4%)、意識していなかったのが43名(42.6%)であった。意識した内容は食中毒、風邪・インフルエンザの蔓延であった。 2.全国の県庁・市役所の災害防災課担当者への調査結果:611箇所から回答を得た。感染症発生時の対応については、「医師や保健所の指示を受ける」が223名(88.1%)、「臨機応変に対応する」97名(38.3%)、「マニュアルに沿って行動する」24名(9.5%)であった。感染症の知識は「十分である」が22名(3.6%)、「どちらともいえない」126名(20.8%)、「不十分である」が459名(75.6%)であった。最も注意する感染症は「呼吸器系の感染症」が最も多く264名(43.5%)、次に「消化器系の感染症」が138名(22.7%)であった。「わからない」が176名(29.0%)であった。 3.被災地における情報収集:今年度情報収集した場所は宮城・岩手内陸沖地震の災害地である花山地区と栗駒地区である。道路封鎖のために帰宅できない人びとが20世帯程度の仮設住宅で生活している。5名の入居者にインタビューした結果、集団非難生活の中で一番辛かったのが、プライバシーが確保されないことで、人の目が気になったと答えていた。また、食事は自衛隊が作って配給されたが、いつも同じ食材で食事がすすまなかった。感染症対策は、地震後数日立ってから、トイレや出口にウエルパスなどが設置され手洗いをするよう保健師から指導を受けていた。地震直後は、水が出ないため、バケツに水をくみ汚物を処理していた。
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