2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク母子を対象とした母子の応答性を高める看護介入の検討
Project/Area Number |
19659594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
香取 洋子 Kitasato University, 看護学部, 講師 (90276171)
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Keywords | 新生児 / 母子関係 / 応答性 / 産褥早期 |
Research Abstract |
先行研究ではローリスクの母子のみを対象としており、今回少数例ではあるが、母子関係に問題のあるケースを加えてAMISスケールの母子関係スクリーニングとしての有用性について検討を試みた。事例1:34歳初産婦。分娩時胎盤の遺残があり、母親の産褥経過に問題があった。児は低出生体重児で活気が少なく、日齢2に光線療法となる。<AMIS母親項目41点、児項目16点、二者関係項目11点>母親は非常に硬い表情で「もう何をやっても泣くのでわからない」と語る。事例2:35歳初産婦。児は非常に興奮性が高い。<AMIS母親項目37点、児項目15点、二者関係項目6点>母は「こんなに泣くのは神経か脳がおかしいんじゃないか。退院してやれるか心配」と訴える。両者とも新生児の特性が影響し出産後早期の育児に問題が生じたケースである。事例1は哺乳意欲が乏しい児に無理に飲ませようとする母親、事例2は興奮性の強い児に対処しなくてはならない母親である。何れの母親も児への対処に不安を感じていた。次に今回の事例を過去のデータに加え、34名の対象によるAMISスケールの内的整合性を検討した。下位尺度別のCronbah'sαは母親項目.72、児項目.59、二者関係項目.47(4項目とすると.61)であり、グループ内の得点比較として活用可能とされる.60に近い値が得られた。項目分析(I-R相関)として、各項目と検討対象の項目を除いた下位尺度の合計得点との相関を見た。相関の見られなかった項目は母親項目では9項目、児項目では5項目、二者関係項目は前回同様3項目とも有意ではなかった。今後の検討課題として項目のさらなる精選があげられるが、苦痛の項目は他の項目との相関が低いが、ハイリスクのケースの場合必要と考えられるので削除しない方がよいと考えられた。
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