Research Abstract |
本研究では,ニュータウンに暮らす高齢者のメンタルヘルスのニーズを明らかにし,効果的な援助方法を検討する。またあわせて,地域の人々が高齢者政策や地域のあり方,高齢者との関わりについてどのように認識しているかを明らかにする。以上を踏まえて,高齢化しているニュータウンにおいて高齢者自身や住民の力を活用した高齢者の精神的健康を維持,増進させるために効果的なメンタルヘルス支援プログラムを開発することを目指している。 【研究経過および研究成果等】 1年目にあたる平成19年は,1.フィールド在住の高齢者を対象に,日常生活能力,生活満足度,精神的な充足感,地域活動への参加などについて質問紙調査を実施した。この結果より,性別で「家族の中での役割」や「健康のために心がけていること」,「心の支えになっている人」違うことが,同居家族の有無(同居家族がいるか,独居か)により,「生きがいを感じる時」や「社会活動への参加のきっかけ」に違いがあることが分かった。 また,2.高齢者個人のメンタルヘルスに関するニーズを把握する目的で,精神的身体的健康状態、日常生活の様子、生きがい、社会参加の状況等について,半構造的な個人インタビュにーを11名の高齢者に実施した。結果より,高齢者は,食事や運動,生活リズムなどについて各自で工夫をし,健康に留意しながら日常生活を送っていることがわかった。また,家族や友人,近所の人との付合いを大切にし,精神的な健康を保っための努力をしていることも明らかになった。 今後は,3.フィールド住民を対象として,高齢者との関わりについて考えていること,高齢者福祉政策や地域のあり方についての考えなどを明らかにするために質問紙調査を行う。以上の1.2.3.から得られた結果と文献,地区の専門家とキーパーソンとなる住民の意見も踏まえ,地域における高齢者のメンタルヘルスに関する援助について多角的に分析を行う予定である。
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