2007 Fiscal Year Annual Research Report
随意運動の発現における前頭葉、大脳基底核、小脳の機能分散と機能連関の解明
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19670004
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
星 英司 Tamagawa University, 脳科学研究所, 准教授 (50407681)
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Keywords | 神経生理学 / 神経解剖学 / 運動前野 / 随意運動 / 大脳基底核 / 小脳 / 認知 / 運動 |
Research Abstract |
本年度は、解剖学的研究と生理学的研究を平行して行った。対象領域としては、特に運動前野の背側部(PMd)に焦点を当てた。解剖学的研究では、狂犬病ウイルスを逆行性の神経トレーサーとして用いることにより、PMdに視床を介して投射する大脳基底核と小脳核の部位を同定することに成功した。両者において、ある特の部位からPMdへ投射していることが明らかとなった。また、これらの部位は、一次運動野に投射する領域よりもむしろ、前腺前野へ投射することが知られている領域により近いことが判明した。以上の結果は、PMdは運動の実行系に属すると考えられていたが、前頭前野を中心とする連合野系に属する可能性を示唆している。生理学的研究では、.到達動を企画・実行する課題を行っている被験体のPMdより神経細胞活動の記録を行った。PMdの幅広い領域から、700個以上の細胞活動を記録することに成功した。細胞活動と課題の要素との関係性をオフライン解析したところ、大変興味深い結果が得られだ。具体的には、PMdには決定された動作内容を反映する活動、準傭された動作を反映する活動の二種類があることが明らかとなった。この二段階の勤作内容の表現は、PMdにおいて新規に発見された機能的役割である。更に、これらの間の変換過程を支える一連の神経細胞活動を同定することが明らかとなった。更に、こ段階の動作表現の間において効果的な情報の統合がなされていることが明らかとなった。以上の2つの研究を総合すると、PMdは構造的かつ機能的側面において運合野的な性質を帯びていることが示唆された。
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Research Products
(9 results)