2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19672001
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
小林 仁 The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka, 学芸課, 主任学芸員 (00373522)
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Keywords | 俑 / 隋 / 唐 / 陶磁史 / 美術史 |
Research Abstract |
本年度は現地調査による隋唐時代の俑の実物調査、関連資料の収集と調査成果を踏まえたテーマ研究を実施した。 1.現地調査 (1)中国調査(1)(12月23日〜30日)〜西安地区、四川地区 陝西省考古研究院では長安区出土隋唐墓群の出土資料を調査し、隋唐俑の様式変遷、制作技法や墓葬ごとの種類やその墓葬規模との関連など多くの知見を得ることができた。とくにその中の隋時代の紀年墓資料は隋俑の編年、分期研究にとって重要な意義をもつものといえる。また、個人所蔵の西安唐醴泉坊窯址及び平康坊窯址出土の唐俑陶笵を調査し、実際にその陶箔を使っての成形実験を行い、唐時代の陶俑の陶笵成形に関して理解を深めた。また、四川省では発掘中の唐?峡窯址はじめ成都近郊の隋唐窯址出土資料の調査を実施した。なお陝西省考古研究院の劉呆運氏や成都市文物考古研究所の黄暁楓氏ら現地研究者との学術交流を通して数多くの有益な示唆が得られ、さらに今後の継続的な調査協力も得られた。 (2)中国調査 (2)(1月20日〜26日)〜山西地区等 長治市博物館では長治地区出土の唐代陶俑の調査と撮影を行い、山西京南部地区の唐俑の造形特徴や種類、制作技法の独自性や隣接する河北地区などとの影響関連に新たな知見が得られた。また、研究協力者の山西省考古研究所の孟耀虎氏より最近晋城市で発見された唐代の三彩窯址に関する情報が得られ、実際に出土資料の一部を調査することができた。予定していた襄垣での調査は大雪のため現地博物館と調整の上、次の機会に延期した。 2.テーマ研究及び研究成果の公表への準備 (1)西安地区の隋唐俑に関する種類・組合せと様式変遷、及びその生産工房と制作技法、(2)山西地区の陶俑の地域性と生産工房に関するテーマ研究を実施し、その研究成果については平成20年度以降に公表すべく準備を進めている。
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