2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19672001
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
小林 仁 The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka, 学芸課, 主任学芸員 (00373522)
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Keywords | 俑 / 隋 / 唐 / 陶磁史 / 美術史 |
Research Abstract |
本年度は現地調査による隋唐時代の俑の実物調査、関連資料の収集と調査成果を踏まえたテーマ研究ならびに研究成果の公表などを実施した。 1.現地調査 (1)中国調査(1)(9月13日〜20日)〜河北省など 永年県では紀年墓である孫信墓出土の唐俑を特別に調査することができ、河北地区の唐俑の造形、制作技法、種類などを考える上で多くの知見を得た。調査に同行した研究協力者である河北省文物保護中心の申献友氏からは多くの有益な情報をご教示いただいた。また、刑窯窯趾の視察と現地研究者との学術交流により、刑窯が当時の俑の一大生産地であった可能性が確認されたことは大きな収穫であった。 (2)中国調査(2)(2月22日〜3月2日)〜湖南省、湖北省、山西省 湖南省では岳州窯(湘陰窯)の隋唐時代の俑及び生産状況について調査を行い、とくに青瓷俑が湖南地区内のみならず、近隣の湖北地区や四川地区などにも流通していた状況が確認できた。また、湖南隋墓出土の陶俑も岳州産である可能性が高いことが分かった。一方、山西省襄垣県では近年出土の隋唐俑を特別に調査することができ、一部「瓷質」と報告されている俑が刑窯産である可能性が高いことが分かった。 2.テーマ研究及び研究成果の公表とその準備 (1)河北、山西地区の隋唐俑の種類・組合せと様式変遷及びその生産工房と制作技法、(2)湖北、湖南地区の隋唐俑の地域性と生産工房に関するテーマ研究を実施した。その研究成果の一部について東洋陶磁学会例会などで発表を行い、また平成19年度の研究成果の一部は民族藝術学会研究例会で発表した。今後、それぞれ論文発表すべく準備を進めている。
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Research Products
(2 results)