2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19672001
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
小林 仁 The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka, 大阪市立東洋陶磁美術館・学芸課, 主任学芸員 (00373522)
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Keywords | 俑 / 隋 / 唐 / 陶磁史 / 美術史 |
Research Abstract |
本年度は現地調査による隋唐時代の俑の実物調査、関連資料の収集と調査成果を踏まえたテーマ研究ならびに研究成果の公表などを実施した。 1.現地調査 (1)中国調査(1)(10月21日~29日)~河南省、河北省など 河南省では中国古陶瓷学会「中国早期白瓷、白釉彩瓷専題学術研討会」に参加し、早期白磁の年代や隋時代の白磁俑に関する研究成果の発表を行った。また、河北〓台では、臨城県文物局の張志忠局長が〓窯で発掘した陶俑及び仏教陶塑像類の大量の一括資料を実見することができ、〓窯が河北地区の陶俑の一大生産地であることをようやく確認できた。初唐期の〓窯では陶俑をはじめとした多彩な陶製品が大量に生産されていたことがうかがえ、〓窯の新たな実像を考える上で画期的な成果となった。 (2)中国調査(2)(3月16日~23日)~湖北省、江西省など 湖北省襄樊市では未発表の唐俑などを実見し、南北境界地域にある襄樊の南朝から隋唐に至る俑の変遷と地域的特殊性を考える上で大きな収穫となった。また、江西省博物館では未報告の唐三彩俑が確認でき唐三彩俑の分布と流通を考える上で重要な発見となった。洪州窯の調査では、洪州窯産青磁明器類の一部が湖北地区などにも流通していたことが分かり、俑をはじめとした明器類の流通やそれと関連する明器文化、あるいは葬送文化の地域性の解明に新たな手がかりが得られた。 2.テーマ研究・研究成果の公表とその準備 (1)洛陽地区の隋唐俑の地域性と生産工房、(2)洛陽唐三彩俑の様式変遷、(3)俑の初唐様式に関する問題、(4)江西・湖北地区の隋唐俑の地域性と生産工房に関するテーマ研究を実施した。(3)については、日本中国考古学会大会において、また(4)については東洋陶磁学会研究例会でそれぞれ口頭発表を行い、今後それぞれ論文として公表する準備を進める。
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Research Products
(5 results)