2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19672001
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Research Institution | Osaka City Cultural Properties Association |
Principal Investigator |
小林 仁 財団法人大阪市博物館協会, 大阪市立東洋陶磁器美術館, 主任学芸員 (00373522)
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Keywords | 美術史 / 俑 / 隋 / 唐 / 陶磁史 |
Research Abstract |
本年度は現地調査による隋唐時代の俑の実物調査、関連資料の収集と調査成果を踏まえたテーマ研究ならびに研究成果の公表などを実施した。 1. 現地調査 (1) 中国調査(1)(10月20日~30日)~河北省、山東省、江蘇省など 河北省では「2010年河北邯鄲中国古陶瓷学会年会曁磁州窯学術研討会」と「首届国際磁州窯論壇」(招待参加)に参加し、北斉〓城地区の鉛釉器をはじめとした明器生産とその初唐黄釉加彩俑や唐三彩への系譜に関する研究成果の発表を行った。また、山東では油博寨里窯址の調査を行い、隋代の出土資料を調査した。さらに、江蘇省徐州市では徐州地区の隋唐墓出土の俑を調査にその独自の造形特質や産地の問題に関して新知見が得られた。 (2) 中国調査(2)(11月7日~17日)~陝西省など 西安市、咸陽市において隋唐墓出土の俑に関する調査を実施した。昭陵博物館では昭陵陪葬墓出土のとくに黄釉加彩俑を数多く実見し、その特質や産地の問題について新たな知見が得られた。陝西歴史博物館では陝西地区のみならず甘粛地区の唐代胡人俑なども実見することができ、甘粛地区における独自の製作技術や生産工房について理解を深めた。胡人俑については、乾陵博物館で開催されていた胡人俑展を見学することができ、胡人俑の種類や造形について理解を深めた。また、陝西考古研究院の収蔵庫では近年発掘された隋唐墓出土資料を実見することができ、北斉との技術的なつながりとなる要素を見出すことができた。 2. テーマ研究・研究成果の公表とその準備 (1) 山東地区、江蘇地区の隋唐俑の地域性と生産工房、(2) 俑の初唐様式に関する問題、(3) 西安地区・西北地区の隋唐俑の地域性と生産工房に関するテーマ研究を実施した。研究成果については上記(1)の二つの学会での口頭発表や論文発表を行い、それ以外の成果についても、今後口頭発表や論文発表をすべく準備を進めた。
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Research Products
(3 results)