2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19675001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 茂弘 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60260618)
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Keywords | π電子系 / 有機エレクトロニクス / 典型元素 / 電子物性 / 光物性 |
Research Abstract |
本研究は,有機エレクトロニクス分野の飛躍的進展につながる突出した物性,あるいは,これまで達成し得なかった未踏の物性の発現を目的に,革新的な機能性分子の創出に挑む.典型元素を機軸とした分子設計,独自の新反応開拓,非結合性分子間相互作用を巧みに生かした高次構造制御の3つを組み合わせたアプローチを基に取り組んでいる.本年度の成果は,以下の三つにまとめられる. (1) 高効率固体発光:有機π電子系分子の発光特性に焦点を当て,固体状態において100%に近い量子収率で発光する強発光性有機固体の創製について検討した.特に,実現の難しい「小さなストークスシフトを伴った青色固体発光」の発現に取り組み,ジフェニルアントラセン骨格にπスタッキング部位を導入し,分子内での無輻射失活過程を抑制することによりこれを実現した.また,一連の高発光性ホウ素置換オリゴ(フェニレンエチニレン)類の構造-物性相関を明らかにした. (2) 結晶状態での高電荷移動度:決定的に高い電荷移動度をもつ有機トランジスタ材料の開発を目指す.その候補としてジベンゾペンタレンに着目し,その合成法としてビス(アリールカルボニルフェニル)アセチレンの還元的環化反応の開発を進めている.理論計算を用いた詳細な検討により,この反応が協奏的ラジカル5-endo-dig環化機構で進行することを明らかにした. (3) アモルファス状態での高い電子輸送性:アモルファス性電子輸送剤の開発を目指し,一連のホスホール類の合成とその物性評価に取り組んだ.ベンゾジホスホールジスルフィド誘導体が高い潜在性をもつことを明らかにした.また,ホスホール骨格を部分構造にもつラダーπ電子系の合成も行い,環構造の電子構造に及ぼす効果についても明らかにした.
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[Journal Article] 5-Aryl-3, 3, 4, 4-tetramethyl-3, 4-dihydro-3H-pyrrol-2-imines2009
Author(s)
S. Janich, R. Frohlich, A. Wilken, J. von Zamory, A. Wakamiya, S. Yamaguchi, E. -U. Wurthwein
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Journal Title
Eur. J. Org. Chem. (in press)
Peer Reviewed
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