2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物エレクトロニクス材料の埋もれた界面のナノ構造の研究
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19684013
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
久保田 正人 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 助教 (10370074)
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Keywords | パルスレーザー堆積法(PLD法) / 放射光X線回折実験 / 強相関電子系遷移金属酸化物 |
Research Abstract |
相境界近傍で非常に大きな物性変化を示す可能性を持つ強相関電子系遷移金属酸化物材料における機能性のメカニズムの詳細な解明は、未だに進んでいないのが現状である。本研究では、特に酸化物エレクトロニクス材料が持つ機能のメカニズムを明らかにするために、放射光を用いた物性の解明を目指した。 La2NiMnO6酸化物材料は、室温以上の高い転移点を持ち強磁性半導体的振る舞いを示す。また、2つの遷移金属族元素の配列の秩序度により、強磁性転移温度や磁気モーメントの大きさが異なることが報告されている。La2NiMnO6酸化物材料における機能性と電子状態並びに構造物性の関係を明らかにするために、放射光X線回折実験を行なった。実験に用いた薄膜試料は、パルスレーザー堆積法(PLD法)により作製した。得られた薄膜試料は、磁化測定により強磁性を示すことを確認した。 (111)付近のプロファイルには、基板STOと高角側にLa2NiMnO6薄膜の反射が観測された。これは、エピタキシャル成長によりc軸が縮んでいることを意味している。一方、(1/2 1/2 3/2)の反射が観測された。これは、通常のペロブスカイ卜構造のユニットセルに対して、2*2*2倍のユニットセルに由来するシグナルである。フリンジの間隔は、約0.01であり、膜厚100層分に対応する。これは、設計どおりの膜厚を持つ薄膜からの回折シグナルである。また、基本反射とサテライトピーク形状は、類似の振る舞いを示していることが分かる。これらのことは、製膜中でNiとMnが秩序化が生じていることを示唆している。
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Research Products
(3 results)