2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物エレクトロニクス材料の埋もれた界面のナノ構造の研究
Project/Area Number |
19684013
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
久保田 正人 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 助教 (10370074)
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Keywords | 共鳴軟X線散乱 / 元素選択性 / 放射光 / 強相関電子系 |
Research Abstract |
機能性材料の物性評価を行う上で、軟X線を用いた測定は有用な点が非常に数多い。例えば、2p->3d遷移による軟X線を用いた実験では、機能を発現する金属元素の電子状態を直接的に捉えられることや、磁気散乱強度もK吸収端に比べ100-1000倍強度が大きく、磁性材料研究により適している。また、d元素だけではなく、軽元素(酸素や窒素など)の吸収端を用いることが可能なので、有機薄膜材料の研究にとっても有用である。遷移金属酸化物・有機エレクトロニクス材料で重要な役割を担う主要元素であるd,f元素や軽元素の吸収端を用いた共鳴散乱実験が行うために、これまでに軟X線共鳴散乱装置を製作し共鳴散乱実験を行ってきた.超高真空下での軟X線領域の放射光を用いて,機能性材料の研究を行うメリットとして,外場,特に電流や光に対する応答を効率的な取得が挙げられる.電場印加による巨大な電気抵抗変化を示す強相関電子系Mn酸化物デバイス材料の研究を行い.電場印加により電気特性が変化する際に,界面付近の構造変化を伴うことを明らかにした.また,強相関低次元系ペロブスカイト型Mn酸化物NdSrMnO4の電荷・軌道秩序の研究を行った.マンガンサイトと酸素サイトでそれぞれ共鳴軟X線散乱実験を行なった結果,転移点温度以下で電荷・軌道秩序の相関長が(温度の低下と共に)発達するが,低温においても短距離(~100A)に留まることを明らかにした.
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Research Products
(17 results)