2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜の相分離によるリポソームの変形機構を利用した新規薬剤送達システムの開発
Project/Area Number |
19684015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 慎一郎 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特定研究員 (50372446)
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Keywords | リポソーム / 無細胞タンパク質合成 / DDS / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は,環境条件による相分離を利用して,ステルス性と標的選択性とを両立させる新規リポソームDDS(薬剤送達システム)の開発である.申請者らのグループはこれまでにリポソーム内で無細胞タンパク質合成を行わせることにより,目的のタンパク質のみを発現させたリポソームが構築可能であることを示してきている.最近,細胞間でギャップジャンクション(GJ)を形成して物質輸送を担う膜タンパク質・コネキシンをリポソーム膜に発現・提示しうるとの実験結果を得た(論文投稿中).この結果を細胞への物質輸送に脂質分子の相分離現象に着目し,部分的に細胞選択性部位を露出することで選択性を求めた.複数成分の脂質からなる巨大リポソームを用い,二重蛍光染色と共焦点顕微鏡観察によって相分離を,また温度制御ステージを用いて温度依存性の確認を行った.巨大リポソームでの組成としてDMPC/SM/DOPCを用い,相分離の確認を行った.さらに,埋め込まれた膜タンパク質が相分離構造に応答しうることを抗体染色によって確認した.しかしながら,当初の予想と異なりエクストルーダを用いて形成された小サイズリポソーム(直径200-300nm)の環境においては異なる組成を調査する必要が生じた.DDSとしての利用には,このサイズで機能することが望ましい.そのため,当初の予定より期間を延長し,小サイズリポソーム環境で膜タンパク質が組み込まれたリポソームの活性測定を行った.その結果,小サイズのリポソームにおいてもコネキシンの機能活性を示しうる条件が求められた.
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Research Products
(6 results)