2009 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームによる配列制御型合成系の拡張に向けた非天然基質の合理的設計
Project/Area Number |
19685016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山東 信介 Kyushu University, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (20346084)
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Keywords | リボソーム / 配列制御合成 / 核酸 / たんぱく質 / アミノ酸 |
Research Abstract |
リボソームディスプレーを利用したリガンド・阻害剤の進化的探索に向け、有機化学的に最も興味深いのはリボソームが重合できる基質・結合の拡張、すなわち、"リボソームを用いて複雑な人工分子を合成するための手法論"の開拓である。本課題では、リボソーム基質拡張に向けた下記2テーマを昨年度に引き続き実施した。(課題1:主鎖伸長型基質)リボソームAサイトでの基質適合性を検討するため、リボソームAサイトにおけるアミノアシル化tRNAミミックであるピューロマイシン誘導体を用いた研究を実施した。一連のβ-ヒドロキシ酸、β-アミノ酸で誘導体化したPuromycin aminonucleosides (PANS)、更には、よりtRNAに近づけた種々のCCPANS誘導体の合成、及び、精製を昨年度に引き続き完了させた。また実際、これら一連の阻害剤によるリボソーム翻訳機能阻害効果を無細胞翻訳系におけるレポーターたんぱく質翻訳活性から定量し、その基質選択性をに対する考察を行った。(課題2:化学的ミスアシル化AMP法)昨年度までに、化学的アシル化AMPを基質とすることで、N-メチル化アミノ酸などの非天然基質を、天然系に比する速度で酵素的(PheRS)にtRNAに付加できることを見出している。使用できる基質の拡張に向け、N-メチル化体だけでなく、様々な非天然アミノ酸への適応、また、PheRS以外のアミノアシル化酵素への展開を検討した。また、従来は、NVOC化した安定なアミノ酸-AMP体を系外で光脱保護し、これをアシル化反応に用いていたが、NVOC基に変わる脱保護基として、中性条件下でも効率的な脱保護が期待できるBhc保護基などの利用を検討した。種々のBhc保護アミノ酸-AMP体を合成し、安定性・脱保護効率の検討、系中光脱保護アミノアシル化を実施した。
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