2007 Fiscal Year Annual Research Report
320 Gbit/s-500 km OTDM伝送技術に関する研究
Project/Area Number |
19686024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣岡 俊彦 Tohoku University, 電気通信研究所, 准教授 (40344733)
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Keywords | 高速光伝送 / 光時分割多重 / 超短光パルス / フーリエ変換限界パルス / DPSK / DQPSK / 光スイッチ / 光多重分離 |
Research Abstract |
本年度は320 Gbit/s OTDM送受信系を構築し、Back-to-back(送信部と受信部を直結した状態)における詳細な性能評価を行なった。320 Gbit/sでは隣接するビットの間隔が3 psと非常に狭いため、伝送に用いる光パルスは1 ps以下のパルス幅が要求される。そこで、従来のピコ秒モード同期ファイバレーザを改良して繰り返し40 GHz、パルス幅0.8 psの超短光パルスを発生させ、この信号をDPSK変調しさらに8倍に時間多重することにより、320 Gbit/s DPSK信号を発生させた。受信部では、高速動作が可能な対称マッハツェンダー(SMZ)型半導体光スイッチによるOTDM多重分離回路を構築した。これにより光スイッチに用いる制御光パルスのパラメータを320 Gbit/s多重分離用に最適化することにより、消光比の高い320→40 Gbit/s多重分離を実現した。これらの送受信系を用いてBack-to-back状態での符号誤り率を測定した結果、-29dBmの受光感度でエラーフリー動作を実現し、320 Gbit/s送受信の基本性能を実証した。 これと並行して、2次、3次の分散をほぼ完全に補償する長距離分散マネージファイバ伝送路を設計した。実際に320 Gbit/s信号を伝送させ伝送後の波形を詳細に評価した結果、その伝送特性がファイバ伝送路の偏波モード分散(PMD)およびその時間変動に極めて敏感であることが明らかになった。その結果、所期の目標である500 kmの伝送を実現するためにはPMDの適応等化技術が必要であることを明らかにした。
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