2008 Fiscal Year Annual Research Report
320Gbit/s-500kmOTDM伝送技術に関する研究
Project/Area Number |
19686024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣岡 俊彦 Tohoku University, 電気通信研究所, 准教授 (40344733)
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Keywords | 高速光伝送 / 光時分割多重 / 超短光パルス / フーリエ変換限界パルス / DPSK / DQPSK / 光スイッチ / 光多重分離 |
Research Abstract |
本年度は、19年度に構築した320 Gbit/s OTDM送受信系ならびに分散マネージファイバ伝送路を用いて525kmの直線路伝送実験を行なった。320Gbit/s OTDM信号に用いるサブピコ秒パルスは信号帯域が大変広いため、長距離伝送させた際に、従来は問題とならなかった高次の偏波モード分散(PMD)ならびにPMDの時間変動が伝送性能を劣化させる大きな要因となる。そのため従来は伝送距離が100-200kmに制限されていた。そこで本実験では、伝送後の信号の偏光度(DOP)をモニターし、DOPの値が常に最大になるよう伝送路に入射する光信号の偏波状態を最適化するとともに、光位相変調と分散を用いた独自のPMD適応等化技術を用いることにより、525kmのエラーフリー伝送に初めて成功した。本成果は、単一偏波320Gbit/s伝送としては最長の伝送距離を実現したものであり、所期の目標を達成することができた。 本年度はさらに新たな取り組みとして、OTDM伝送のさらなる高速化を念頭に、640 Gbit/s OTDM信号発生ならびに多重分離技術に関する基礎検討を行なった。320Gbit/s信号の多重分離に用いたSMZスイッチにおいて、制御光として用いる光パルスの幅を720fsまで狭くすることにより、SMZを用いた640Gbit/s多重分離のエラーフリー動作を初めて実証した。将来展望として、この640Gbit/s送受信系を用いた300〜500kmの超高速長距離伝送の実現が期待される。
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