2008 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル法による高容量電極材料の創製と全固体リチウム電池への応用
Project/Area Number |
19686039
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (10364027)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体電池 / リチウムイオン / ガラス / イオン伝導体 / 硫化物 / ハイブリッド / メカノケミカル法 |
Research Abstract |
Li_2s-P_2s_5系硫化物固体電解質を用いた全固体電池の作用極として、硫化物系電極活物質CU_xMo_6S_<8-y>を適用した。作製した全固体電池Li-In/Li_2S-P_2S_5 glass-ceramics/Cu_xMo_6S_<8-y>は、室温において1.3mAcm^<-2>の比較的大きな電流密度で作動し、2000サイクル後においても約100mAhg^<-1>の容量を保持することがわかった。この電池は160℃の高温においても充放電可能であり、理論容量以上の約250mAhg^<-1>の大きな容量を50サイクルの間保持することがわかった。充放電後における電池インピーダンス、および活物質の結晶構造に大きな変化が見られていないことから、Cu_xMo_6S_<8-y>は硫化物電解質と良好な界面を形成していると考えられる。 また、Li, P, Niの単体元素をメカノケミカル処理することによって、リチウムを含有するリン化物電極活物質を作製した。遊星型ボールミルを用いて、仕込み組成Li_<2.5>Ni_<0.5>Pの混合物に20時間のミリング処理を行ったところ、Li_3PとLi_<3.4> Ni_<10.6>P_7、Li_<12>Ni_<12>P_7の混合物が得られた。これを電極に用いた全固体電池は充電方向から作動させることが可能であり、約600mAh g^<-1>の容量を示すことがわかった。 電極活物質/固体電解質の良好な界面形成を目的として、メカノケミカル法を用いてNip_2電極/Li_2S-P_2s_5電解質複合体を作製した。得られた複合体を作用極に用いた全固体電池は、1.3mA cm^<-2>の電流密度において、約1000mAh g^<-1>の大きな可逆容量を示すことがわかった。この容量は、活物質と電解質粒子を混合して得られた作用極を用いた場合の約2倍大きな値であり、界面構築にメカノケミカル法を利用することで、全固体電池を高容量化できることを見出した。
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